青空文庫で読めるおすすめミステリー作品をご紹介

目次

※目次をクリックすると、クリックした作品までスクロールすることができます。

青空文庫(あおぞらぶんこ)で本を読みませんか。

青空文庫は、だれでも自由にアクセスし、無料で利用できるネット上の図書館です。
青空文庫で読めるのは、著作権が消滅した作品と作者が公開を許可した作品。
夏目漱石、芥川龍之介、宮沢賢治など、誰もが知る日本の作家の作品はもちろん、カフカやスティーブンソン、チェーホフなどの外国人作家の作品、国内外の童話、推理小説、哲学、歴史から政治、社会科学、自然科学…と、とにかく様々な作者・分野の作品を読むことができます。
青空文庫を読むためのスマホのアプリもありますよ。

青空文庫はボランティアによって運営されており、作品の入力・校正もボランティアによって行われています。
公開されている作品は、なんと18,000点以上。※2021年10月時点
そんな多くの作品の中から、おすすめの作品を少しずつご紹介していきます。

今回は青空文庫で読めるミステリー作品をご紹介します。

タイトルの横に©(コピーライトマーク)のついている作品は、著作権が切れていない作品です。私的使用の範囲を越える利用および複製・再配布について、詳しくは青空文庫のファイル取り扱い規準をご確認ください。また、青空文庫の各作品ページの下部にはその作品のクリエイティブ・コモンズ・ライセンスが表示されていますので、ご確認ください。

アーサー・コナン・ドイルのおすすめ作品

『シャーロック・ホームズ』シリーズの著者として有名なアーサー・コナン・ドイル(Sir Arthur Ignatius Conan Doyle)。名探偵シャーロック・ホームズと助手のワトソンのストーリーは、ドラマや映画でご存知の方も多いと思います。『シャーロック・ホームズ』シリーズには長編と短編があり、最初の作品は長編『緋のエチュード(緋色の研究、緋色の習作)』。まずは最初の作品から読むもよし、もちろんタイトルが気になった短編から読み始めても十分に楽しめるシリーズです。青空文庫で読める『シャーロック・ホームズ』シリーズの中から、短編のおすすめ作品と、最初の長編作品『緋のエチュード』をご紹介します。

今回ご紹介した作品のほか、青空文庫で公開されているアーサー・コナン・ドイルの作品リストはこちら

ボヘミアの醜聞 ©

こちらからすぐに読むことができます

訳:大久保ゆう

『シャーロック・ホームズ』シリーズの短編のうち、最初に発表された作品。『シャーロック・ホームズの冒険』に収録。
結婚して開業医に戻っていたワトソンが久しぶりにホームズを訪ねます。そこにマスクをした男性の依頼人が。ある女性が持っている写真を取り戻してほしいとの依頼です。この事件解決後、この女性のことを、ホームズは「あの女性」と呼び、心に留めることになります。
ホームズが「あの女性」と呼ぶアイリーン・アドラーは、関連本やドラマでも注目される人物。漫画・アニメの『名探偵コナン』に登場する灰原哀というキャラクターの名前もアイリーン・アドラーから取られていると言われています。

赤毛同盟 THE RED-HEADED LEAGUE ©

こちらからすぐに読むことができます

訳:大久保ゆう

『シャーロック・ホームズ』シリーズの短編のうち、2番目に発表された作品。『シャーロック・ホームズの冒険』に収録。
ワトソンがホームズを訪ねると、ホームズは燃えるような赤い色の髪をした男性と話し込んでいました。そしてその男性は、二人にある新聞広告を見せます。それは、赤い髪をした人に呼びかける赤毛同盟の募集広告。赤毛同盟とは一体なんなのか?依頼人の話はとても奇妙で、ホームズは大変な興味を覚えた様子。
『赤毛同盟』のほか、『赤毛連盟』『赤毛クラブ』などの邦題でも知られる本作品。狐につままれるような話に、つい笑ってしまう場面も。

唇のねじれた男 THE MAN WITH THE TWISTED LIP ©

こちらからすぐに読むことができます

訳:大久保ゆう

『シャーロック・ホームズ』シリーズの短編のうち、6番目に発表された作品。『シャーロック・ホームズの冒険』に収録。
ワトソンの元に、妻の友人が泣きながらやってきます。彼女の夫がアヘン窟に行ったきり帰ってこないとのこと。ワトソンが彼女の夫を探しにアヘン窟へ向かうと…。

まだらのひも THE ADVENTURE OF THE SPECKLED BAND ©

こちらからすぐに読むことができます

訳:海野十三
改訳:大久保ゆう

『シャーロック・ホームズ』シリーズの短編のうち、8番目に発表された作品。『シャーロック・ホームズの冒険』に収録。
タイトルをみて、子どもの頃に読んだことを思い出す方がいらっしゃるかもしれません。
今回の事件の依頼人はヘレン。自分が亡くなるまでは事件の詳細を口外しない約束をしていました。そして彼女が亡くなり、ワトソンはこの事件について語ります。ヘレンの双子の姉・ジュリアの謎の死の真相は。
読み終わってから、原題の『THE ADVENTURE OF THE SPECKLED BAND』に、なるほど、と感じるかもしれません。

株式仲買人 THE STOCK-BROKER'S CLERK ©

こちらからすぐに読むことができます

訳:三上於菟吉
改訳:大久保ゆう

『シャーロック・ホームズ』シリーズの短編のうち、16番目に発表された作品。『シャーロック・ホームズの思い出』に収録。
今回の依頼人は株式仲買人のパイクロフト。彼の勤め先が倒産し、転職先が決まった矢先に飛び込んできた、いわゆるおいしい話。転職先よりもはるかに多い報酬と待遇を持ちかけてきた男の話に、彼は乗ることに。働き始めた彼が抱いた疑問とは…?

踊る人形 THE ADVENTURE OF THE DANCING MEN ©

こちらからすぐに読むことができます

訳:三上於菟吉
改訳:大久保ゆう

『シャーロック・ホームズ』シリーズの短編のうち、27番目に発表された作品。『シャーロック・ホームズの帰還』に収録。
ホームズのもとに送られてきた謎の絵文字が書かれた紙。今回の依頼人はキュービット氏。キュービット氏の家の窓枠に、日時計の上に置かれた紙に、色々なモノにそれらの絵文字は書かれ、彼の妻はそれを見るとひどくおびえ、やつれていく。
暗号解読がポイントとなる作品。ストーリーに登場する絵文字は挿絵で見ることができます。

緋のエチュード A STUDY IN SCARLET ©

こちらからすぐに読むことができます

訳:大久保ゆう

『シャーロック・ホームズ』シリーズ最初の作品。ホームズ初登場の長編作品です。邦題は、訳者によって『緋色の研究』『緋色の習作』とも。
本作は二部構成。第一部ではホームズとワトソンの出会い、共同生活の始まり、事件の始まりが。第二部では事件の裏側・真相が語られます。
シャーロック・ホームズ初登場の作品ということで、ホームズの特異な人物像やそれに驚嘆するワトソンの様子、ワトソンの過去についても語られています。その後、数多く発表された短編を読む前提としても、先に短編を読んだあとでも、ぜひ読んでみてほしい作品です。

江戸川乱歩のおすすめ作品

大正から昭和と活躍した小説家・江戸川乱歩。特に推理小説が有名で、彼の寄付を基金とし創設された江戸川乱歩賞は推理作家への登竜門とも言われています。『怪人二十面相』や『少年探偵団』など児童向けの作品も有名です。彼の多くの作品が後の映画、漫画、テレビアニメなどになり、派生作品も数多く生み出されています。青空文庫で読める江戸川乱歩のおすすめ作品をご紹介します。

今回ご紹介した作品のほか、青空文庫で公開されている江戸川乱歩の作品リストはこちら

孤島の鬼

こちらからすぐに読むことができます

まだ30歳にもなっていないのに真っ白な白髪の主人公・蓑浦。そして蓑浦の妻の身体には恐ろしく大きな傷の跡が。彼の白髪とその妻の傷跡の理由、原因となった出来事について主人公が回想する形でストーリーは進んでいきます。
数年前の彼は同僚の初代と恋をし結婚を決意。しかし彼女はある日突然殺されてしまいます。彼はなんとか事件を解決したいと、友人であり探偵でもある深山木に捜査を依頼。深山木の捜査によって徐々に事件の真相が見えるかに思えたものの…。
推理小説でありながら、恋愛小説、ホラー小説、冒険小説の要素も多分に含む本作。長編ですが、次々に変わる展開、舞台、人間関係にグイグイと惹き込まれて最後まで読み切ってしまう、力強い作品です。

屋根裏の散歩者

こちらからすぐに読むことができます

どんな遊びも、どんな職業も、何をやって見ても、一向この世が面白くない』主人公の郷田三郎。そんな郷田は、あるカフェで探偵の明智小五郎と知り合いになります。明智小五郎の話す様々な犯罪話に夢中になる郷田。犯罪に関する書物を読み漁り、そのうちに犯罪の真似事を始めるように。
揺れ動く郷田の心の動きと飄々とした明智小五郎の態度が対照的。映画やドラマで映像化されている作品でもあります。

D坂の殺人事件

こちらからすぐに読むことができます

探偵・明智小五郎の初登場作品。語り手である『私』は行きつけのカフェの窓から向かいの古本屋を眺めています。『私』は以前、そのカフェで明智小五郎と知り合い、古本屋の美しい女性が明智小五郎の幼馴染であるという話を聞いていました。その彼女がいつか出てくるのではないかと眺めていたのです。すると店内の様子にどうも気になることが。そこに、明智小五郎もやってきて、二人でカフェの窓から古本屋を眺めていると…。古本屋の女性の死の原因は何か。
作品中にはエドガー・アラン・ポーの『モルグ街の殺人』やコナン・ドイルの『まだらのひも(文中:『スペックルド・バンド』への言及もあります。この2作品は本サイトでもご紹介していますので、気になる方はどうぞ。

押絵と旅する男

こちらからすぐに読むことができます

この話が私の夢か私の一時的狂気のまぼろしでなかったならば、あの押絵おしえと旅をしていた男こそ狂人であったに相違そういない
『私』は、汽車の車内で古臭い紳士の格好をした男と出会います。その男は、風呂敷から絵の額縁のようなものを取り出し、窓に立て掛けていました。この奇怪な行動から目を離せなかった『私』は、男の前の席に座り、その額縁のようなものを見せてもらうことに。そして男の話を聞くことになるのです。
いわゆる謎解きモノではなく、不思議で幻想的な印象を残すストーリーです。

心理試験

こちらからすぐに読むことができます

『D坂の殺人事件』に次ぐ、明智小五郎シリーズ2作目の短編小説。
大学生の蕗谷清一郎は、同級生の斎藤勇から彼の下宿先の老婆が大金を隠して持っているという話を聞きます。しかも隠し場所を聞き出すことにも成功します。
難点は、云うまでもなく、如何いかにして刑罰を免れるかということにあった』周到に下調べと準備を行った彼は、いよいよ犯行に及びます。そして、この小説の本番はここから。予備判事の笠松と探偵・明智小五郎の、蕗谷への心理試験が始まります。

怪人二十面相

こちらからすぐに読むことができます

「二十面相」というのは、毎日毎日、新聞記事をにぎわしている、ふしぎな盗賊とうぞくのあだ名です。その賊は二十のまったくちがった顔を持っているといわれていました。つまり、変装へんそうがとびきりじょうずなのです
怪人二十面相と名探偵・明智小五郎、その助手の小林少年の推理対決。江戸川乱歩が書いた少年向け推理小説シリーズの第1話。児童向けの作品とされていますが、大人が読んでもワクワクするストーリーです。読んだことがある方も、まだ読んだことがない方にも、ぜひ。

エドガー・アラン・ポーのおすすめ作品

エドガー・アラン・ポー(Edgar Allan Poe)はアメリカの小説家、詩人、評論家、編集者。江戸川乱歩というペンネームは彼の名前からきています。
青空文庫で読めるエドガー・アラン・ポーのおすすめ作品をご紹介します。

今回ご紹介した作品のほか、青空文庫で公開されているエドガー・アラン・ポーの作品リストはこちら

アッシャー家の崩壊 THE FALL OF HOUSE OF USHER

こちらからすぐに読むことができます

訳:佐々木直次郎

どうしてなのかは知らない――がその建物を最初にちらと見たとたんに、堪えがたい憂愁の情が心にしみわたった
語り手である『私』のもとに少年時代の親友の一人であるロデリック・アッシャーからの手紙が届く。神経を病んだ旧友に招かれ、『私』はアッシャー家を訪ねます。『私』がアッシャー家に滞在している間に起こった出来事とは。
18世紀後半から19世紀初頭にかけて流行した神秘的、幻想的、いわゆるゴシック風の作品。短いけれど、読み進めるうちに不安な世界に入り込んでいく作品。

ウィリアム・ウィルスン WILLIAM WILSON

こちらからすぐに読むことができます

訳:佐々木直次郎

冒頭の語り手の言葉は『さしあたり、私は自分をウィリアム・ウィルスンという名にしておくことにしよう。
想像力に富み、すぐに興奮する気質を持ち、我儘で激情的な性質の語り手は、イギリスの村にある寄宿学校で過ごした学生生活を回想します。この寄宿学校で彼はある一人の学生と出会うことに。傲慢な語り手に他の学生達は従うものの、その学生だけが意のままにならず、いつも語り手の邪魔をする。
読んでいるうちに、読者は薄々気付き始める。そして最後まで読んだ後、きっと、もう一度冒頭に戻って読み返してしまうような物語。

モルグ街の殺人事件 THE MURDERS IN THE RUE MORGUE

こちらからすぐに読むことができます

訳:佐々木直次郎

語り手の『私』はC・オーギュスト・デュパンという紳士と知り合いになり、一緒に暮らすことに。このデュパンという紳士は大変な読書家であり、創造的かつ分析的頭脳をもった人物。ある日二人は、新聞でモルグ街で起こった謎めいた殺人事件を知ります。警察は銀行員アドルフ・ル・ボンを逮捕。しかし証拠のないこの事件に興味を感じるデュパンと、アドルフ・ル・ボンに恩があった『私』は、独自に捜査を開始します。
この作品の結末については色々な感想がありそうですが、1841年発表のこの作品をきっかけに推理小説というジャンルが発展したとされています。いわば推理・探偵小説の原型とも言える本作、ぜひ一度読んでみてはいかがでしょうか。

黒猫 THE BLACK CAT

こちらからすぐに読むことができます

訳:佐々木直次郎

私がこれから書こうとしているきわめて奇怪な、またきわめて素朴そぼくな物語については、自分はそれを信じてもらえるとも思わないし、そう願いもしない。
多くの人々には恐ろしいというよりも怪奇バロックなものに見えるであろう。今後、あるいは、誰か知者があらわれてきて、私の幻想を単なる平凡なことにしてしまうかもしれぬ。
1843年発表のポーの代表作の一つ。短い作品です。

フランツ・カフカ、チェスタートン、モーリス・ルブランのおすすめ作品

変身 DIE VERWANDLUNG フランツ・カフカ

こちらからすぐに読むことができます

訳:原田義人

ある朝、グレゴール・ザムザが気がかりな夢から目ざめたとき、自分がベッドの上で一匹の巨大な毒虫に変ってしまっているのに気づいた。』
冒頭の一文で示される、ある日突然虫になってしまうという奇妙な状況。なぜ、何のために、など一切わからないまま物語は進みます。フランツ・カフカ(Franz Kafka)の代表作であり、タイトルも有名な作品。

今回ご紹介した作品のほか、青空文庫で公開されているフランツ・カフカの作品リストはこちら

青玉の十字架 THE BLUE CROSS ギルバート・キース・チェスタトン

こちらからすぐに読むことができます

訳:直木三十五

著者のギルバート・キース・チェスタトン(Gilbert Keith Chesterton)はイギリスの作家。チェスタトンの著書の中でも、カトリック司祭にしてアマチュア探偵のブラウン神父が登場するシリーズは探偵小説の古典として知られており、ブラウン神父シリーズはヨーロッパやアメリカでテレビドラマ化もされています。
ご紹介する『青玉の十字架』はそんなブラウン神父の初登場作品。パリの検察官であり名探偵と言われるヴァランタンが、怪盗フランボウを追ってロンドンにやってきます。ある店で朝食をとるヴァランタン。コーヒーに砂糖を入れたはずが塩が。このちょっとした出来事から彼の捜査は展開していきます。

今回ご紹介した作品のほか、青空文庫で公開されているギルバート・キース・チェスタトンの作品リストはこちら

秘密の庭 THE SECRET GARDEN ギルバート・キース・チェスタトン

こちらからすぐに読むことができます

訳:直木三十五

本作もブラウン神父シリーズの中の一つ。パリの警視総監であり名探偵であるヴァランタンの家でパーティが開かれます。しかし、高い塀に囲まれた庭で切り落とされた男の首が発見され、皆は大騒ぎ。ヴァランタンはこの殺人事件の捜査を始め、パーティ客の一人であったブラウン神父もこの殺人事件について考察を始めます。

見えざる人 THE INVISIBLE MAN ギルバート・キース・チェスタトン

こちらからすぐに読むことができます

訳:直木三十五

ブラウン神父シリーズの中の一作品。邦題は訳者によっては『見えない男』とも。
舞台はロンドン・カムデンタウン。アンガスという青年は菓子屋で働くローラにプロポーズをします。ローラには、かつて二人の男、スミスとウェルキンにプロポーズをされ断った過去がありました。そのうちの一人、スミスは現在、機械式の給仕人の人形を作り、稼いでいるとのこと。そしてローラは、なぜか居ないはずのもう一人の男・ウェルキンの声が聞こえることに悩まされていました。そこにスミスが登場。スミスはウェルキンから脅迫状を受け取っていたことをローラとアンガスに伝えます。
その後、マンションから大量の血痕を残して消えたスミス。その時、4人が彼のマンションを見張っていましたが、誰も出入りした人間を見ていないと証言します。『見えざる男』とは誰なのか。

サレーダイン公爵の罪業 THE SINS OF PRINCE SARADINE ギルバート・キース・チェスタトン

こちらからすぐに読むことができます

訳:直木三十五

ブラウン神父シリーズの中の一作品。邦題は訳者によっては『サラディン公の罪』とも。
かつて怪盗と呼ばれていたフランボウ。有名な社交家であるサレーダイン公爵から『もし貴下が職を退しりぞかれて堅気となる事でもあらば、それがしをお訪ね下されたし』との手紙をもらっていました。そこでフランボウは公爵に会うため、ブラウン神父とともに公爵の屋敷があるというノーフォークへの旅にでかけます。美しくも物寂しい屋敷に着き、公爵の歓迎を受ける二人。しかしそこに公爵に決闘を申し込む若いイタリア人が現れ、公爵は殺されてしまうことに。この出来事に疑問を持つブラウン神父が真相を探ります。

奇巌城 L'Aiguille creuse モーリス・ルブラン

こちらからすぐに読むことができます

訳:菊池寛

本作品の著者、モーリス・ルブラン(モーリス・マリー・エミール・ルブラン Maurice Marie Émile Leblanc)は、フランスの小説家。本作品にも登場する怪盗紳士「アルセーヌ・ルパン」の生みの親です。
『奇巌城』はルパンシリーズの3作目の長編作品。ノルマンディーのジェーブル伯爵の屋敷に賊が侵入。ジェーブル伯爵と使用人のドバルが銃で撃たれます。その後、ジェーブル伯爵の姪が賊の一人を銃撃するものの、傷を負ったはずの賊も姿を消してしまう。しかも、なぜか客間の有名な絵画は盗まれていなかった。徐々に複雑・壮大な展開を見せるこの事件に、少年探偵ボートルレ、イギリスの名探偵ショルムス、ガニマール警部らが挑んでいきます。
本作品に登場する名探偵ショルムス(訳者によっては「ショルメ」)、エルロック・ショルメ(Herlock Sholmès)について。アルセーヌ・ルパンシリーズには『ルパン対ホームズ(Arsène Lupin contre Herlock Sholmès)』という作品があり、エルロック・ショルメはシャーロック・ホームズ(Sherlock Holmes)を指しているとされています。

坂口安吾、野村胡堂、甲賀三郎、大倉燁子、平林初之輔のおすすめ作品

不連続殺人事件 坂口安吾

こちらからすぐに読むことができます

昭和22年の夏、N町にある歌川多門の屋敷には多くの人が招待されていた。招待状の主は歌川多門の息子の歌川一馬。その歌川邸で次々と人が殺されていく…。
本作品の著者は坂口安吾。彼がはじめて書いた長編推理小説です。本作品は雑誌(日本小説)掲載時に、坂口安吾から読者への挑戦状として、真犯人をあてる懸賞金がかけられたそうです。作品内にこのような『附記』が何箇所かあります。

附記 この探偵小説には私が懸賞をだします。犯人を推定した最も優秀な答案に、この小説の解決篇の原稿料を呈上します。細目はいずれ、誌上に発表しますが、だいたい、九回か十回連載の予定、大いに皆さんと知慧くらべをやりましょう。当らなければ、原稿料は差上げませんよ。たいがい、差上げずに、すむでしょう。
坂口安吾

『附記』には尾崎士郎や太宰治の名前も登場。本編と一緒にこちらが読めるのも本作の楽しいところ。

踊る美人像 野村胡堂

こちらからすぐに読むことができます

素晴らしい新聞種を提供しよう、今夜九時頃、日比谷公園新音楽堂裏のベンチを見張って居るがい。ただし姿を見せると鳥が飛ぶぞ。』新聞記者の千種十次郎のもとにこんな手紙が届き、千種は現場へ行ってみることに。するとそこには女優の柳糸子の姿が。そして、その後現れた男と揉め、服を剥ぎ取られていました。駆けつけた千種がそのまま柳糸子をアパートまで送りとどけると、彼女の部屋で行われていた集まりにそのまま参加させられることに。そして、そこに居合わせた柳糸子の妹から、姉が命を狙われているという相談を受けるのでした。
本作品の著者は野村胡堂。『銭形平次捕物控』の作者としても有名な小説家、音楽評論家(音楽評論家としての筆名はあらえびす)です。本作品に登場する名探偵・花房一郎、記者の千種十郎は、他作品にも登場する人物です。

悪人の娘 野村胡堂

こちらからすぐに読むことができます

会社員の鳴海司郎は、橋の上で突然中年の男に声をかけられ「これからこの橋に一人の娘がやってくる、身を投げたりしないように助けてやってほしい」と頼まれます。なぜそんなことがわかるのかと訝しむ鳴海に、嘘ではない証拠にと、金を見せる男。鳴海は、結局その中年の男の言う通りに橋の上やってきて身を投げようとした娘を助けます。なぜ娘は身を投げようとしたのか。あの中年の男はいったい誰なのか。物語の最後に、探偵・花房一郎の語りによって真相が明かされます。

血液型殺人事件 甲賀三郎

こちらからすぐに読むことができます

主人公の鵜澤は医科学生。その医科の教授である毛沼博士が変死する。そして、その後一月も経たぬうちに、父とも仰ぐ恩師の笠神教授夫妻が自殺をしてしまう。毛沼博士は、鵜澤も出席したM高出身医科学生の会合の帰りに、彼が自宅まで送り届けた後の変死であり、その原因は未だ不明。笠神教授の自殺の原因もわかっていない。二人の教授と関わりの深い鵜澤は警察の取り調べを受けることに。
本作品の著者は甲賀三郎。大正から昭和初期にかけて活躍し、本格派探偵作家とも言われています。文壇デビューは江戸川乱歩の4ヶ月後でした。

今回ご紹介した作品のほか、青空文庫で公開されている甲賀三郎の作品リストはこちら

罠に掛った人 甲賀三郎

こちらからすぐに読むことができます

貧しく、高利貸からの借金に苦しむ友木とその妻・伸子。友木は高利貸しの玉島を殺そうと決意します。
タイトルの『罠に掛った人』とは誰のことなのか。読み終えた後に考えてしまう作品。

真珠塔の秘密 甲賀三郎

こちらからすぐに読むことができます

著者・甲賀三郎の懸賞小説応募作(1923年『新趣味』:一等入選)。
展覧会の目玉ともいえる真珠で作られた塔。その真珠塔が模造品とすり替えられていた!シャーロック・ホームズとワトソンを思わせる、探偵・橋本とその友人、岡田が事件の真相を探ります。

妖影 大倉燁子

こちらからすぐに読むことができます

出発の際、S夫人から注意された言葉が耳の底に残っていて離れない。「暗号はあなたの生命いのちより大切だと思わなければいけない。トランクも危険よ。スーツケースはなお更だ。肌身につけていらっしゃい」
S夫人の従兄が書いたノート。そこには彼が体験した物語が綴られていた。
彼が新しい任地に暗号を届ける船旅で出会った、父と娘と思われる二人連れの中国人。彼は好奇心から二人に近づいていくのだが…。
著者の大倉燁子は、昭和の小説家。探偵小説を多く発表しています。

今回ご紹介した作品のほか、青空文庫で公開されている大倉燁子の作品リストはこちら

機密の魅惑 大倉燁子

こちらからすぐに読むことができます

ある外交官夫人の謎の死。自殺か、過失死か、他殺なのか、遂に明かされることはなかった事件。
「さあ、それをこれからお話しようと思うんですの、もうあれから二ヶ年も経ちましたから、お話してもいいだろうと思いますのよ」』謎に包まれた外交官夫人の死の真相について、S夫人が語り始めます。

あの顔 大倉燁子

こちらからすぐに読むことができます

刑事弁護人の尾形博士のもとに、知り合いの神父の紹介状を持った一人の女性がやってくる。それは過去に尾形博士が恋をした女性・川島浪子だった。ある青年が赤ん坊を殺した事件について、相談があるという。その青年とは浪子の従弟であり、殺された赤ん坊は浪子の子どもだった。浪子の持ちかけた相談とは。

或る探訪記者の話 平林初之輔

こちらからすぐに読むことができます

これから話そうと思うのは僕らの経験のうちではごくおとなしい、あたりさわりのない事件の方で、こんな事件は、僕らの手帳にはざらにあるのだ、が。
主人公の新聞記者『僕』が取材した、ある事件について語ります。その事件の発端になったのは、ある大学の教授が胎教についての新学説を発表し、学界の大問題を起こして教授が辞めることになった出来事。教授の発表した学説は、いわゆるトンデモ学説だったが、一般の人々の多くがこれを信じてしまい、教授が職を辞した後も大学には罵倒、脅迫の投書が舞い込むほどになっていたのです。そこで『僕』は、教授ともあろう人がなぜそんなデタラメな学説を発表したのかを取材することに。取材を始めた彼は素晴らしい特ダネの材料を手にいれたのだが…。
本作品の著者は平林初之輔。大正、昭和初期の文芸評論家、推理作家、翻訳家。

今回ご紹介した作品のほか、青空文庫で公開されている平林初之輔の作品リストはこちら

おすすめ記事