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青空文庫で本を読みませんか。
短編、短時間で読める作品も多いので、スキマ時間の気分転換にぴったりです。
もちろん長編作品を時間をかけてゆっくり読むのもよし。
青空文庫を読むためのスマホのアプリもありますよ。
青空文庫は、誰でも自由にアクセスし、無料で利用できるネット上の図書館です。
青空文庫で読めるのは、著作権が消滅した作品と作者が公開を許可した作品。
夏目漱石、芥川龍之介、宮沢賢治など、誰もが知る日本の作家の作品はもちろん、カフカやスティーブンソン、チェーホフなどの外国人作家の作品、国内外の童話、推理小説、哲学、歴史から政治、社会科学、自然科学…と、とにかく様々な作者・分野の作品を読むことができます。
青空文庫の運営はボランティアによって運営されており、作品の入力・校正もボランティアによって行われています。
公開されている作品は、なんと18,000点以上。※2021年10月時点
そんな多くの作品の中から、おすすめの作品を少しずつご紹介していきます。
今回のおすすめは、小説家の太宰治(だざい おさむ 1909-1948)の作品。
青空文庫には多くの太宰治の作品がありますが、今回は、誰もがタイトルを聞いたことのある有名作品はもちろん、その他のおすすめ作品も紹介します。
青空文庫で読める太宰治の作品リストはこちら
※「読了時間」は、一度さらりと読む場合のおおよその時間です。個人差ありますがご参考までに。
まずは、誰もがタイトルは聞いたことがある太宰治の代表作・有名作品をいくつかご紹介します。
※リストのタイトルをクリックすると、青空文庫の作品のページが表示されるので、すぐに読むことができます。
| タイトル |
読了時間 |
メモ |
|---|---|---|
| 140分 | 「朝、食堂でスウプを一さじ、すっと吸ってお母さまが、「あ」 と幽かな叫び声をお挙げになった。」 元貴族の一家の没落と死、恋の話。冒頭からのお母さまの仕草、佇まいの表現からグッと引き込まれる作品。 |
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| 15分 | 「メロスは激怒した。」 有名な一文から始まる作品。文章の勢いに乗ってすっと物語に入り込めます。メロスは間に合うのか?走れメロス! |
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| 30分 | 「またもや、わけのわからぬ可笑しさがこみ上げて来まして、私は声を挙げて笑ってしまいました。おかみさんも、顔を赤くして少し笑いました。私は笑いがなかなかとまらず、ご亭主に悪いと思いましたが、なんだか奇妙に可笑しくて、いつまでも笑いつづけて涙が出て、夫の詩の中にある「文明の果の大笑い」というのは、こんな気持の事を言っているのかしらと、ふと考えました。」 深夜帰宅した夫。その後、とある居酒屋の夫婦が激怒してやってきます。夫がその居酒屋から多額の金を盗み、それを知らせにきたのです。その後、妻はその居酒屋で働くことに…。 |
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| 120分 |
「恥の多い生涯を送って来ました。」 |
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| 25分 | 「いや、いや、お前ひとりでは解決できない。まさか、お前、死ぬ気じゃないだろうな。(中略)死ぬのはやめたほうがよい。うむ、名案。すごい美人を、どこからか見つけて来てね、そのひとに事情を話し、お前の女房という形になってもらって、それを連れて、お前のその女たち一人々々を歴訪する。効果てきめん。女たちは、皆だまって引下る。どうだ、やってみないか。」 先妻を亡くし、今の妻と結婚した雑誌編集長の田島。闇商売の手伝いをし、愛人が10人ちかくいる。彼は、愛人たちと分かれる決意をする。未完の遺作であり、残念ながら結末はわかりませんが、ここまでのストーリーだけでも読む楽しみがあります。 |
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| 190分 |
「津軽の事を書いてみないか、と或る出版社の親しい編輯者に前から言はれてゐたし、私も生きてゐるうちに、いちど、自分の生れた地方の隅々まで見て置きたくて、或る年の春、乞食のやうな姿で東京を出発した。」 |
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| 120分 | 実に、気の毒な結果になつたものだ。お伽噺に於いては、たいてい、悪い事をした人が悪い報いを受けるといふ結末になるものだが、しかし、このお爺さんは別に悪事を働いたといふわけではない。緊張のあまり、踊りがへんてこな形になつたといふだけの事ではないか。(『瘤取り』より) 有名な昔話「瘤取り」「浦島さん」「カチカチ山」「舌切雀」の4つを太宰治が独自の解釈で書いた作品。 |
いわゆる有名作品、代表作と呼ばれるもの以外にも、多くのおすすめ作品があります。そのほんの一部をご紹介します。
※リストのタイトルをクリックすると、青空文庫の作品のページが表示されるので、すぐに読むことができます。
| タイトル |
読了時間 |
メモ |
|---|---|---|
| 20分 | 「私は、犬については自信がある。いつの日か、かならず喰いつかれるであろうという自信である。」 とにかく犬が嫌いな男と犬のポチの話。ポチの仕草の描写と主人公の心の変化がユーモラスに書かれています。つい笑ってしまう作品。 |
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| 170分 |
「どうも、北条家のお方たちには、どこやら、ちらと、なんとも言へぬ下品な匂ひがございました。」 |
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| 20分 |
「くるしい時には、かならず実朝を思い出す様子であった。いのちあらば、あの実朝を書いてみたいと思っていた。私は生きのびて、ことし三十五になった。そろそろいい時分だ、なんて書くと甚だ気障な空漠たる美辞麗句みたいになってつまらないが、実朝を書きたいというのは、たしかに私の少年の頃からの念願であったようで、その日頃の願いが、いまどうやら叶いそうになって来たのだから、私もなかなか仕合せな男だ。」 |
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| 30分 | 「人生はチャンスだ。結婚もチャンスだ。恋愛もチャンスだ。と、したり顔して教える苦労人が多いけれども、私は、そうでないと思う。」恋愛について、太宰が語ります。 | |
| 12分 | 最後の一文は「私は微笑した。」 津軽の名誉職の男が語るとある極秘事件。嘘をついているのは誰? |
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| 25分 |
中国へと渡った主人公の友人・大隅忠太郎君が結婚する。大隅君の婚約・結婚式に向けて奔走する主人公の様子に共感したり笑ったり。ところどころで登場し主人公に助言する恩師・瀬川教授は、井伏鱒二がモデルと言われています。 |
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| 60分 | 森鴎外全集の翻訳篇にある「女の決闘」という作品を太宰治と一緒に読んでいくお話。途中、太宰の加筆や再構成が入り、読みすすめるうちに、どこが元の作品でどこからが太宰の作品なのかが混沌としてくる作品。 | |
| 30分 | 「来た。待っていたものが来た。新しい、全く新しい次のジェネレーションが、少しずつ少しずつ見えて来た。」 男爵というあだ名で呼ばれる男と、元は女中で今は女優になっている女。女はなぜか男爵に近づきます。 |
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50分 |
「決意したのである。この少年の傲慢無礼を、打擲してしまおうと決意した。」 玉川上水を歩いていた「私」が出会った少年・佐伯。怒りながら、困りながらも話をするうちに、佐伯の友人・熊本君も交えた予想外の展開に。 |
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| 15分 | 「むかし江戸、向島あたりに馬山才之助といふ、つまらない名前の男が住んでゐた。ひどく貧乏である。三十二歳、独身である。菊の花が好きであつた。佳い菊の苗が、どこかに在ると聞けば、どのやうな無理算段をしても、必ず之を買ひ求めた。」 熱狂的に菊が好き。菊マニアの男の話。清の時代の中国の小説集『聊斎志異』の中の一篇を元に書かれた作品。 |
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| 20分 | 「僕の忠直卿は、三十三歳の女性である。そうして僕の役割は、あの、庭園であさましい負け惜しみを言っていた家来であったかも知れないのだから、いよいよ、やり切れない話である。」 太宰が忘れることのできない『忠直卿行状記』という小説。絵を書き始めたある女性の話。 |
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| 10分 | 「人間は雀じゃないんだ。そうして、わが子を傷つけられた親の、あの怒りの眼つき。戦争は、君、たしかに悪いものだ。」 津軽にて再会した傷痍軍人の徽章をつけた旧友の慶四郎君。彼が療養していた伊東温泉と射的場のツネちゃんという娘さんとの話。 |
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| 30分 | 「ほんとうに私は、どれが本当の自分だかわからない。読む本がなくなって、真似するお手本がなんにも見つからなくなった時には、私は、いったいどうするだろう。」 太宰治が書く14歳の少女のとりとめもない心のつぶやき。 |
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| 150分 |
「この小説は、「健康道場」と称する或る療養所で病いと闘っている二十歳の男の子から、その親友に宛てた手紙の形式になっている。」 |
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| 20分 |
「私はあなたを愛しています。ほかの弟子たちが、どんなに深くあなたを愛していたって、それとは較べものにならないほどに愛しています。誰よりも愛しています。」 |
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| 20分 |
「翌る朝、薄明のうちにもう起きて、そっと鏡台に向って、ああと、うめいてしまいました。私は、お化けでございます。」 |
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| 12分 |
「菊子さん。恥をかいちゃったわよ。ひどい恥をかきました。顔から火が出る、などの形容はなまぬるい。草原をころげ廻って、わあっと叫びたい、と言っても未だ足りない。」 |
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| 20分 |
「そうして、故郷の母が重態だという事を言って聞かせた。五、六年のうちには、このような知らせを必ず耳にするであろうと、内心、予期していた事であったが、こんなに早く来るとは思わなかった。」 |
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| 15分 |
「その日から、私たちのお家は、滅茶々々になりました。」 |
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| 15分 |
「女房のふところには 鬼が棲すむか あああ 蛇じゃが棲むか」「気の持ち方を、軽くくるりと変えるのが真の革命で、それさえ出来たら、何のむずかしい問題もない筈です。」 |
太宰治は少し重くて暗い印象があって…という方にもおすすめなのが、これからご紹介する3作品。個人的にもおすすめしたい作品です。
いずれにも黄村先生という人物が登場します。この黄村先生、とにかくちょっと変わったお方。好奇心旺盛でバタバタと何かに手を出しては弟子たちを巻き込む。そして(やっぱり)失敗し、それでも飄々とまた次の思いつきに手を出す黄村先生。「とにかく黄村先生は、ご自分で大いなる失敗を演じて、そうしてその失敗を私たちへの教訓の材料になさるお方のようでもある。」(黄村先生言行録より)なんともユニーク、愛すべきキャラクターなのです。振り回される弟子たちとのやり取りも、つい笑ってしまうこと多々。時折入る主人公のカッコ書きのツッコミも楽しい読み物になっています。
黄村先生のモデルは井伏鱒二とされています。井伏鱒二と太宰治は師弟関係。しかしそれを超えた、まるで兄と弟、父と息子のような雰囲気がこれらの作品からも伺えます。
※リストのタイトルをクリックすると、青空文庫の作品のページが表示されるので、すぐに読むことができます。
| タイトル |
読了時間 |
メモ |
|---|---|---|
| 20分 |
(はじめに、黄村先生が山椒魚に凝って大損をした話をお知らせしましょう。逸事の多い人ですから、これからも時々、こうして御紹介したいと思います。三つ、四つと紹介をしているうちに、読者にも、黄村先生の人格の全貌が自然とおわかりになるだろうと思われますから、先生に就いての抽象的な解説は、いまは避けたいと思います。) |
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| 30分 |
今日も黄村先生は阿佐ヶ谷のお宅で学生たちに語る。今回の黄村先生のテーマは武術。 |
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| 15分 |
「拝啓。暑中の御見舞いを兼ね、いささか老生日頃の愚衷など可申述候。老生すこしく思うところ有之、近来ふたたび茶道の稽古にふけり居り候。」 |
ここまでご紹介してきた作品の他にも、青空文庫にはまだまだ太宰治の作品がたくさん。その中から、15分以内で読める短い作品をいくつかご紹介します。メモ欄は作品の文章の一部です。もし気になる作品があれば、読んでみてはいかがでしょうか。
※リストのタイトルをクリックすると、青空文庫の作品のページが表示されるので、すぐに読むことができます。
| タイトル |
読了時間 |
メモ(作品内の文章) |
|---|---|---|
| 食通 | 1分 |
食通というのは、大食いの事をいうのだと聞いている。 |
| メリイクリスマス | 10分 |
東京は相変らず。以前と少しも変らない。 |
| フォスフォレッスセンス | 7分 | 私は、この世の中に生きている。しかし、それは、私のほんの一部分でしか無いのだ。同様に、君も、またあのひとも、その大部分を、他のひとには全然わからぬところで生きているに違いないのだ。 |
| 答案落第 | 5分 |
ながいことである。大マラソンである。いますぐいちどに、すべて問題を解決しようと思うな。ゆっくりかまえて、一日一日を、せめて悔いなく送りたまえ。幸福は、三年おくれて来る、とか。 |
| 十二月八日 | 12分 |
昭和十六年の十二月八日には日本のまずしい家庭の主婦は、どんな一日を送ったか、ちょっと書いて置きましょう。 |
| 新郎 | 10分 |
昭和十六年十二月八日之を記せり。この朝、英米と戦端ひらくの報を聞けり。 |
| 正直ノオト | 1分 | 芸術に、意義や利益の効能書を、ほしがる人は、かえって、自分の生きていることに自信を持てない病弱者なのだ。 |
| 座興に非ず | 3分 | からかってみたくなった。私は、当時退屈し切っていたのである。「おい、おい、滝谷君。」トランクの名札に滝谷と書かれて在ったから、そう呼んだ。「ちょっと。」 |
| 一歩前進二歩退却 |
2分 |
日本だけではないようである。また、文学だけではないようである。作品の面白さよりも、その作家の態度が、まず気がかりになる。その作家の人間を、弱さを、嗅かぎつけなければ承知できない。 |
| 芸術ぎらい | 3分 | 映画は芸術であってはならぬ。芸術的雰囲気などといういい加減なものに目を細めているから、ろくな映画が出来ない。 |
| 心の王者 | 5分 | 今の学生諸君の身の上が、なんだか不憫ふびんに思われて来たのであります。学生とは、社会のどの部分にも属しているものではありません。また、属してはならないものであると考えます。 |
| 弱者の糧 | 3分 | 何をしても不安でならぬ時には、映画館へ飛び込むと、少しホッとする。真暗いので、どんなに助かるかわからない。誰も自分に注意しない。映画館の一隅に坐っている数刻だけは、全く世間と離れている。あんな、いいところは無い。 |
| 諸君の位置 | 3分 | 世の中に於ける位置は、諸君が學校を卒業すれば、いやでもそれは與へられる。いまは、世間の人の眞似をするな。美しいものの存在を信じ、それを見つめて街を歩け。最上級の美しいものを想像しろ。 |
| デカダン抗議 | 5分 | 女は、やはり、その夜、泊らずに帰った。つまらない女であった。私は女の帰った真意を、解することが、できなかった。 |
| 天狗 | 5分 | 暑い時に、ふいと思い出すのは猿簑の中にある「夏の月」である。 市中は物のにほひや夏の月 凡兆 いい句である。感覚の表現が正確である。 |
| 満願 | 3分 | 三年、と一口にいっても、――胸が一ぱいになった。年つき経つほど、私には、あの女性の姿が美しく思われる。あれは、お医者の奥さんのさしがねかも知れない。 |
| やんぬる哉 | 7分 | 小学校時代の友人とは、共に酒を飲んでも楽しいが、中学校時代の友人とは逢って話しても妙に窮屈だ。相手が、いやに気取っている。私を警戒しているようにさえ見える。そんなら何も私なんかと逢ってくれなくてもよさそうなものだが、この町の知識人としての一応の仁義と心得ているのか、わざわざ私に会見を申込む。 |
| リイズ(ラジオ放送用として。) | 5分 | 杉野君は、洋画家である。いや、洋画家と言っても、それを職業としているのでは無く、ただいい画をかきたいと毎日、苦心しているばかりの青年である。おそらくは未だ、一枚の画も、売れた事は無かろうし、また、展覧会にさえ、いちども入選した事は無いようである。それでも杉野君は、のんきである。 |
| 律子と貞子 | 10分 | 艶聞というものは、語るほうは楽しそうだが、聞くほうは、それほど楽しくないものである。私も我慢して聞いたのだから、読者も、しばらく我慢して聞いてやって下さい。 |
| 徒党について | 2分 | 友情。信頼。私は、それを「徒党」の中に見たことが無い。 |
| 炎天汗談 | 1分 | 修業という事は、天才に到る方法ではなくて、若い頃の天稟のものを、いつまでも持ち堪へる為にこそ、必要なのです。退歩しないというのは、これはよほどの努力です。 |
| 横綱 | 1分 | 私は酒杯を手にして長大息を發した。この一字に依つて、双葉山の十年來の私生活さへわかるやうな氣がしたのである。横綱の忍の教へは、可憐である。 |
| 小説の面白さ | 1分 | 小説と云うものは、本来、女子供の読むもので、いわゆる利口な大人が目の色を変えて読み、しかもその読後感を卓を叩いて論じ合うと云うような性質のものではないのであります。 |
| 小志 | 1分 | もしも死なねばならぬ時が来たならば、縫い目なしの下着は望まぬ、せめてキャラコの純白のパンツ一つを作ってはかせてくれまいか。 |
| 親という二字 | 5分 | れいの無筆の親と知合いになったのは、その郵便局のベンチに於いてである。郵便局は、いつもなかなか混んでいる。私はベンチに腰かけて、私の順番を待っている。「ちょっと、旦那、書いてくれや。」 |
| 家庭の幸福 | 15分 | けれども、私にこの小説を思いつかせたものは、かの役人のヘラヘラ笑いである。あのヘラヘラ笑いの拠って来る根元は何か。所謂「官僚の悪」の地軸は何か。 |
| 女神 | 12分 | 私は眉間を割られた気持で、「お前も女神になりたいのか?」とたずねた。家の者は、笑って、「わるくないわ。」と言った。 |
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