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青空文庫で本を読みませんか。
短編、短時間で読める作品も多いので、スキマ時間の気分転換にぴったりです。
もちろん長編作品を時間をかけてゆっくり読むのもよし。
青空文庫を読むためのスマホのアプリもありますよ。
青空文庫は、誰でも自由にアクセスし、無料で利用できるネット上の図書館です。
青空文庫で読めるのは、著作権が消滅した作品と作者が公開を許可した作品。
夏目漱石、芥川龍之介、宮沢賢治など、誰もが知る日本の作家の作品はもちろん、カフカやスティーブンソン、チェーホフなどの外国人作家の作品、国内外の童話、推理小説、哲学、歴史から政治、社会科学、自然科学…と、とにかく様々な作者・分野の作品を読むことができます。
青空文庫の運営はボランティアによって運営されており、作品の入力・校正もボランティアによって行われています。
公開されている作品は、なんと18,000点以上。※2021年10月時点
そんな多くの作品の中から、おすすめの作品を少しずつご紹介していきます。
今回のおすすめは、詩人、童話作家の宮沢賢治(みやざわ けんじ 1896-1933)の作品。
青空文庫には詩を含めた多くの宮沢賢治の作品がありますが、今回はそのうちの22作品を紹介します。
青空文庫で読める宮沢賢治の作品リストはこちら
※「読むのにかかる時間」は、一度さらりと読む場合のおおよその時間です。個人差ありますがご参考までに。
読むのにかかる時間:5分
こちらからすぐに読めます
これまで宮沢賢治の作品を一度も読んだことがないお子さん、宮沢賢治の作品にあまり馴染みのない方に、個人的一番のおすすめ作品。
猟に出た二人の紳士。獲物は捕れず、疲れ切ってお腹もペコペコに。そんな二人が、山奥で一軒の西洋造りの家を発見します。
『RESTAURANT 西洋料理店 WILDCAT HOUSE 山猫軒』
その開き戸には金文字でこう書いてありました。
『どなたもどうかお入りください。決してご遠慮はありません』
二人がその扉を開くと…。
読むのにかかる時間:60分
宮沢賢治といえば、まずこのタイトルが浮かぶ方が多いと思います。
友人であるジョバンニとカンパネルラ、二人の銀河鉄道での旅のお話。旅の道中の出来事をどう捉えるか、結末をどう感じるかは、読む人によってずいぶんと違うものになるかもしれません。
子どもの頃に一度は読んだことのある方も、ぜひあらためてどうぞ。
銀河鉄道の夜は、第4次稿まで改稿が行われた作品だそうで、ブルカニロ博士が登場するものと、しないものがあります。
青空文庫にはどちらも掲載されています。両方を読み比べてみてはいかがですか。
ブルカニロ博士が登場する こちらからすぐに読めます
ブルカニロ博士は登場しない こちらからすぐに読めます
読むのにかかる時間:15分
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セロ弾きのゴーシュはいつも楽長に叱られてばかり。必死になって夜中もセロを弾く彼のもとに、毎晩動物がやってきます。
最初の晩は三毛猫、次の晩はかっこう、その次の晩は狸の子、さらに次の晩は野ねずみの親子。
ゴーシュはどう変わっていくのか。動物たちがやってくる理由とは。
この作品は、高畑勲が監督したアニメ映画にもなっています(セロ弾きのゴーシュ:1982)。こちらもおすすめ。
読むのにかかる時間:7分
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16人の百姓たちに稲扱器械を『のんのんのんのん』と回させ働かせながら、オツベルはビフテキやらオムレツやらを食べ、小屋の中をぶらぶら行ったり来たりしています。
そんなオツベルのところに、あるとき白い象がやってきます。
この作品は『……ある牛飼いがものがたる』オツベルと象の話。
「あるとき、白い象がやってきた」という、一見幻想的な状況は、ところどころに入る牛使い自身の言葉によって現実的なものになっている気がします。
もしこのストーリーテラーである牛飼いのもとに白い象がやってきたら…。どういう結末になったんでしょうか。
読むのにかかる時間:10分
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ある日、一郎のもとに、一枚の葉書がきます。
『かねた一郎さま 九月十九日 あなたは、ごきげんよろしいほで、けっこです。あした、めんどなさいばんしますから、おいでんなさい。とびどぐもたないでくなさい。 山ねこ 拝』
山猫からの葉書!どうやら一郎は山猫の裁判に呼ばれた様子。一体なんの裁判なのか。この始まりだけでグッと話に引き込まれていきます。
最後の一文にもなんとも言えぬ可笑しみのある作品。
読むのにかかる時間:10分
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『クラムボンはわらったよ。』
『クラムボンはかぷかぷわらったよ。』
『クラムボンは跳ねてわらったよ。』
『クラムボンはかぷかぷわらったよ。』
この響き、懐かしいと感じる方も、まだ読んだことのないお子さんも、ご一緒にいかがでしょう。
クラムボンって何?声に出して読んでいると、それが何かはわからなくても楽しいので、まぁいいかと思うのです。
読むのにかかる時間:30分
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どっどど どどうど どどうど どどう
教科書で朗読した記憶のある方もいるであろう作品。
谷川の岸の小学校に高田三郎という転校生がやってきます。
彼がやってきたのは『二百十日』つまり立春から数えて210日目のこと(9月1日頃)。9月1日にやってきた彼を、地元の子どもたちは風の神の子・風の又三郎ではないかと疑います。
それでも子どもたちは、標準語を話し『変てこなねずみいろのだぶだぶの上着を着て、白い半ずぼんをはいて、それに赤い革の半靴』をはいている、ちょっと風変わりな転校生と少しずつ仲良くなっていきます。
少年たちの会話は方言ですが、生き生きとした学校生活の描写と相まって、割とすんなりと頭に入ってきます。
宮沢賢治は風野又三郎という作品も書いています。こちらも一緒に読んでみると、読後の感想が少し変わるかもしれません。
風野又三郎 こちらからすぐに読めます
読むのにかかる時間:7分
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『よだかは、実にみにくい鳥です。』
他の鳥たちからは顔をそむけられ、悪口を言われるよだか。
よだかという名前のために、鷹からは名前を変えろ、変えなければ明後日には殺すぞと脅されます。
『私の名前は私が勝手につけたのではありません。神さまから下さったのです。』
それによだかは鷹ではなく、カワセミや蜂すずめの兄でした。
つらくなって夜空を飛び回るよだかは、自分の口に入ってくる虫たちのことを思ってさらにつらくなります。
よだかの星というタイトルからは、よだかの未来・結末がうかがえます。
叫びながら、苦しそうに、それでも空に向かっていくよだか。そんなよだかの姿と最後の一文には、悲しさだけではなく静かな力強さをも感じました。
読むのにかかる時間:10分
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四郎とかん子の兄妹は、子ぎつねの紺三郎に、狐小学校の幻燈会に招待されます。
『紺三郎なんかまるで立派な燕尾服を着て水仙の花を胸につけてまっ白なはんけちでしきりにその尖ったお口を拭いているのです。』
これは幻燈会で兄弟をお迎えする、子ぎつねの紺三郎の姿。
キック、キック、トントン。キック、キック、トントン。
話の間ずっと流れる楽しいリズムと、兄妹と子ぎつねたちの会話に思わず笑顔になる作品です。
読むのにかかる時間:30分
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イーハトーブの木こりの息子・主人公のグスコーブドリは、イーハトーブを襲った冷害による飢饉で両親を失い、妹とも別れることに。一人になったグスコーブドリは工場で働くも、火山の噴火で仕事を失い、次は農家で働くも、やはり冷害により仕事を失います。
そしてグスコーブドリは、農家の主人がくれた本で知ったクーボー大博士の元を訪れ学ぶことに。その後、イーハトーブ火山局のペンネン老技師のもとで懸命に学び働きます。
クーボー大博士の飛行船やグスコーブドリがはじめて足を踏み入れた火山局の光景にワクワクする作品。
読むのにかかる時間:15分
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『あるとき、三十疋のあまがえるが、一緒に面白く仕事をやって居りました』
『とのさまがえるは三十がえる力があるのです』
かえる力とは…気になります。
とあることから30匹のあまがえるはとのさまがえるの家来になり、その団体名がカイロ団。つまりタイトルの【カイロ団長】とはとのさまがえるのことです。
たくさんのカエルたちが喋ったり笑ったり震えたり叫んだり、しいんとなったり。
一人何役も(すべてカエルだけど)こなしながらの読み聞かせなど、いかがでしょう。
読むのにかかる時間:10分
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『なじょだた。なにだた、あの白い長いやづあ。』
嘉十が置き忘れた『手ぬぐい』がなんだかわからない6頭の鹿たち。その正体を、こわごわと1頭ずつで確かめに行きます。
びくびくした様子と会話がかわいらしく、それをこっそり見ている嘉十の視点で一緒に眺めている気分に。
宮沢賢治の作品らしく、動物である鹿が、とにかくよく喋り歌い、踊ります。
読むのにかかる時間:5分
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二人の少年がいつも行く野原に入ろうとすると、そこに立て札があります。
『本日は東北長官一行の出遊につきこれより中には入るべからず。東北庁』
東北長官というものを見たくなった二人は野原に入ることに。そして二人は二人の役人に出会います。
特にこれといったオチのようなものはないお話ですが、いわゆるお役人といった感じの大人二人のやりとりと、二人の少年のかかわりが可笑しく、個人的に好きな話。ちょっと時間が空いたときに、気軽に読める作品です。
読むのにかかる時間:5分
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『いちょうの実はみんないちどに目をさましました。そしてドキッとしたのです。きょうこそはたしかに旅だちの日でした』
旅立ちを前にしたイチョウの子どもたちの可愛らしい会話が続きます。小さいお子さんに読んであげるのも楽しそう。
紅葉の時期、黄色い葉が散るころに思い出す作品。
読むのにかかる時間:10分
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おおきな岩が語る、狼森(おいのもり)、笊森(ざるもり)、黒坂森、盗森(ぬすともり)という4つの森の話。
岩手山の噴火で出来た4つの森と、そこに住み始める百姓たちのやりとりがなんとも優しく、途中で登場してくる狼も山男もどこかユーモラスです。
このお話、もちろん岩手山もしゃべります。さっぱりした後味の作品。
読むのにかかる時間:10分
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熊捕り名人の小十郎。
『熊。おれはてまえを憎くて殺したのでねえんだぞ。おれも商売ならてめえも射うたなけぁならねえ。』
小十郎はある年の夏、一頭の大きな熊と出会い、一つの約束をして熊を逃します。
この作品、文中の熊や小十郎などの登場人物たちの会話とは別に、『私』『僕』という一人称が出てきます(『私』は3箇所、『僕』は2箇所)。ストーリーを語る『私』『僕』が、自身の感情を出す場面も。宮沢賢治自身の声にも聞こえます。
読むのにかかる時間:15分
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フランドン農学校で飼育されている一頭の豚。この豚、人間の言葉がわかるし、喋ることもできます。
この豚が殺される前の月になって国王が一つの布告を発令します。
その名も家畜撲殺同意調印法。
『誰でも、家畜を殺そうというものは、その家畜から死亡承諾書を受け取ること、又その承諾証書には家畜の調印を要する』
豚に同意書の話を切り出そうと通ってくる校長。飼育員の話を聞いて不安にかられる豚。そしてついに校長が豚を騙しながら説得しようとするものの、不安な豚は泣いて叫び交渉決裂。心労で痩せる豚をなんとか太らせようとする飼育係たち。抵抗する豚。
この作品、冒頭原稿なし、となっていますが、ストーリーは十分にわかります。ご安心ください。
読むのにかかる時間:15分
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ラユーという町にソンバーユー将軍が凱旋します。しかし長年の戦いのせいで、彼のカラダは鞍にくっつき、鞍は馬にくっついてしまっていて、馬から降りることができない状態でした。
そこで、町の医者、リンパー、リンプー、リンポーという3兄弟に診察してもらうことにします。
リンパーは人間を診る医者、リンプーは動物を診る医者、リンポーは植物を診る医者です。
人間を診る医者・リンパーの将軍への問診の様子は、くすりとしてしまうけれど、そんなものかもしれない、とも思う場面。のんびりとした昔話のような作品。
読むのにかかる時間:10分
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主人公のネズミの名前は『ク』。このクねずみは、他のねずみが何か生意気なことを言うとエヘンエヘンと言うのが癖。他にも、『タ』だの『パ』だの『ペ』だのと、たくさんのネズミの名前がでてきます。『ねずみ競争新聞』というものも出てきます。
そしてネズミの世界にはやはり猫が登場。このお話のオチ、どこか落語風です。
読むのにかかる時間:5分
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主人公の亮二は小遣いをもらい、山の神の秋の祭りに出かけます。そして、見世物小屋の出口で一人の大きな男に出会います。その大きな男は山男。後に亮二はこの山男を助けることに。
最後は山男の正直さと亮二の優しさ、亮二を見守るおじいさんのおおらかさににホッとする作品。
読むのにかかる時間:15分
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きつねと土神は、綺麗な女の樺の木の友達です。
樺の木に星の話や美の話をし、詩集を貸し、望遠鏡もみせてあげると約束するきつね。それを楽しそうに聞き、嬉しそうにする樺の木。
そんな二人のことを考えると、土神はむしゃくしゃしたり、さびしくなったりします。
一方できつねも、樺の木と楽しく話しながら、その中で嘘をついたことを思い悩みます。
この話の最後、土神は途方もない声で泣き出します。
大人になって読むと、きつねと土神、それぞれの心の動きをより感じられるかもしれません。
読むのにかかる時間:1分
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きっと一度は目にしたり耳にしたりしたことがある作品。宮沢賢治の没後に発見された手帳に書かれていました。
本作は詩碑、文学碑が多くあり、派生作品なども多く生んでいます。あらためて味わってみてはいかがでしょうか。